エックス線の管理 エックス線の基礎

エックス線の管理

原子と放射線

1:原子の構造

物質の最小単位である原子は、さらに小さな粒子から成り立っています。ちょうど太陽のまわりを地球が回っているように、中心の正の電荷を帯びた原子核の周りをいくつかの負の電気を帯びた電子がまわっています。原子核はさらに小さな粒子から構成されており、正電荷を持っている粒子(陽子)の数と原子核の周囲を回っている電子(軌道電子)の数は中性電子では等しく、これを原子番号と言います。これらの電子は自由な軌道を無秩序に回っているわけではなく。ある決まったとびとびの軌道上にあり、原子核に近い順に、K軌道(またはK殻)、L軌道、M軌道・・・と名付けられています。各軌道にいる電子の運動エネルギーと位置エネルギーの和、すなわちエネルギー状態は取り得る値が決まっており、これをエネルギー準位といい、元素のよって決まったとびとびの値となっています。

2:励起と電離

例えばヘリウム原子のK軌道にある電子は、電磁波や大きな運動エネルギーを持った荷電粒子(電荷をもった粒子)に衝突されてエネルギーを与えられると、通常より高いエネルギー状態に移ります。このことを励起といいます。もし外部から与えられるエネルギーがある値(電離エネルギーまたは束縛エネルギーという)を超すと、原子核の引力圏外に飛ばされます。その結果、電子と陽イオンに分かれます。これを電離と言います。

エックス線の人体に及ぼす影響は、細胞内の原子の電離という物理学的過程から出発するので、原子を電離する粒子や電磁波を、特に電離放射線と呼び、特別な規制の下で利用するようにしています。電離放射線にはエックス線の他に、アルファ線、ベーター線、電子線、ガンマー線、中世子線などがあります。

コメント

Copied title and URL