エックス線の管理 エックス線の基礎

エックス線の管理

電磁波と光子

1:電磁波

電機の力が働く空間を電界(電場)、時期の力が働く空間を磁界(磁場)といいます。学校の理科の教科書では、コイルを流れる電流によって磁界ができること、また、磁界の変化が電流/電圧を引き起こすこと(電磁誘導)を学びました。

これらを統一的に扱うと、ある条件下では、電界の変化(電界の波のようなもの)が磁界をつくり、その磁界の変化が磁界を作り、さらに電界の変化が・・・というようにして空間を伝わる。

このような電界と磁界が組み合わされて伝わる波を電磁波という。電界や磁界の形を借りた「エネルギーの流れ」と考えることもできる。

一般医、波の山から山(周期)の長さを波長、1秒間あたりにある点を通過する山の数を振動数(周波数)と言う。波の速さ(1秒間あたりに進む距離)は波長と振動数の積となるが、電磁波の場合はすべて同じ速さ(光速度)です。

電磁波の速さ=(波長)×(振動数)=3.0E08m/s

電磁波は波長によって異なる特徴を持っており、電磁波の仲間を並べると 可視光の次に波長が短いのが紫外線そしてエックス線。 可視光の次に波長が長いのが赤外線でありその次に電波となります。

可視光の中で最も波長の長い赤よりさらに波長の長い電磁波を赤外線といい、さらに波長が長いものが電波(マイクロ波、短波、長波など)となります。

一方、紫より短い電磁波を紫外線と言い、さらに波長の短い電磁波がエックス線です。

なお、不安定な原子核から放出される電磁波はガンマー線と呼ばれています。

2:エネルギー

エネルギーには力学的エネルギー(運動エネルギー、位置エネルギー)、熱エネルギー、化学エネルギー、電気エネルギー、光エネルギーなどがあり、各々異なる慣用単位が用いられています。原子や電磁波の分野では、エネルギーの基本単位であるJ(ジュール)では桁が大きすぎるため、eV(電子ボルト)という慣用単位が用いられています。これは1個の電子が1ボルトの電位差間を動いた時に得る運動エネルギーと定義しています。ジュールとの関係は

1eV=1.6E-19J

という関係(換算式)があります

1905年、アインシュタインは有名な「特殊相対性理論」を発表しました。これから導かれる重要な結論の一つは、質量とエネルギーは等価(質量もエネルギーである)と言うことです、(質量公式ともいわれます)。

例えば、電子1個の静止質量は。

E=mc²=(9.1×10^-31[kg])×(3.0×10^8[m/s])^2÷(1.6×10^-19)

=5.1×10^5[eV]=0.51[MeV]

となる。

3:光子

アインシュタインは、上述の相対性理論を発表した同じ年に、あと2つの物理学上重要な論文を発表している。そのひとつが光量子説である。様々な波長の電磁波を物質に照射したときに電子が飛び出す現象(光電効果)の実験結果を解釈するためには、波長の短い電磁波が原子や電子のような小さな粒子とぶつかる時には、波動としてではなく、あたかも1個の粒子であるかのように振る舞うと考えられ、この粒子を光量子(現代では、光子と呼ぶ方が多い)と名付けました。従って、エックス線は電磁波と光子の2面性を持っていることになります。光子エネルギーは振動数に比例し、波長に反比例します。

光子エネルギー ∝ 振動数 ∝ 1/波長

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